妊娠中毒症について

妊娠中毒症の原因はまだよくわかっていません。
この病気は自覚症状は殆どありませんが,早産・死産・未熟児の原因ともなり,また赤ちゃんが生まれても,その死亡率は高くなります。
従って今十分な治療をして完全に治さないと,高血圧症,慢性腎炎,視力障害などの後遺症を残すことがあります。
さらに妊娠中毒症がひどくなると,子癇(意識がなくなり,全身に激しい痙攣が起こる),胎盤早期剥離(赤ちゃんが生まれる前に胎盤が剥がれ,子宮内に大出血が起こる)などを起こして赤ちゃんは勿論,母体の命を失うこともあります。
妊娠中毒症に一番効果があるのは,食事療法(特に塩分制限)と安静です。
塩分の制限は化学調味料,とくに味の素,いの一番等はダメです。
なお,頭痛がしたり,めまいがしたり,急に体重が増加したり,浮腫などの症状が出て来た時は,場合により入院して治療が必要なこともあります。

<食事療法> 

1. 味は重点的に。
塩分は出来るだけ一種類のおかずに集中して使い,他のおかずは塩分を使わずに食べやすいものにする。

2. 料理の汁けを少なく。
例えば煮汁が多いと,水分も多くなり食品の味が少なくなる。

3. 食品の表面だけ,味をつける。
塩分をなるべく加えず,茹でたものに醤油をかける。

4. 食品の持ち味をいかして。
ごま,ピ−ナッツ,くるみ,きなこ等の風味を利用する。

5. 酢やレモンを利用する。
生野菜,揚げ物,焼き魚,鍋もの等を利用する。

6. うま味のあるものを利用する。
しいたけ,こんぶ,わかめ,かつをぶしなどのうま味を利用する。

7. こげ味を利用する。
焼き魚,焼き肉,焼きなす,焼き芋,焼きのり,焼きわかめ等.

8. 油を上手に使う。
天ぷら,フライ,油いため,ムニエル,グラタン,炒飯.

9. 甘味はうすく。
砂糖を使わないと,少量の塩や醤油が良くきく。

10. 薬味と香辛料の利用。
ねぎ,浅つき,しょうが,しそ,みょうが,からし,わさび,カレ−粉など少々加える。

11. から味の強いものを少し使うと食欲が出る。
梅干し,らっきょう

12. 加工品(佃煮,漬け物,干し魚,練り製品)や既製品は塩分が多いのでさける。

13. 御飯,麺類,汁ものは量を控える。
量が多くなると塩分をついとりがちになる。
栄養は副食(魚,肉,牛乳,大豆製品)でおぎなう。

14. 割り醤油(醤油1:だし汁1)にする。

15. 食べ過ぎないよう注意する。

妊娠中毒症の患者は,ある程度症状が進までは,痛い,苦しい,等の自覚症状がなく,はたから見てもどうして病気なのかわかりにくいところがあります。
そのままにしておくと急に重態になって母児共に生命を奪われることもあります。
このような事態を防ぐため症状がではじめたときは,早期に”安静”と”食事療法”を守りひどくなるのを防ぐことが大切です。

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